(──ここは街から外れた場所にあるバー)

(客層は冒険者や旅人、人間はもちろん獣人族や魔族まで……と多様な客が憩いの場として利用している)

(そして、俺はここのマスターをやっている)

(今日も店内は多くの客で賑わっている中、黙々とグラスを拭く)

(しばらくすると扉が開き、1人の女が入ってきた)




マスター、酒をくれ。ここで一番強いやつだ。


(ダークエルフ族の女だ、珍しい……がかなり苛立っている)

(どうやら鬱憤ばらしで来た様子……)

(まずは軽めに慣らしたら?と提案すると)



いいや、とびきり強いやつだ。
金ならある、早くしてくれ。


(……と一蹴されてしまった。高圧的で苦手なんだよなぁ、こいつら……)

(ともあれ客は客だ、注文通り当店で一番強い酒を提供する)


痴話喧嘩