(──ダークエルフの里、玉座にて)
女王「──………」
(ダークエルフの女王は一人憂いを帯びていた)
女王「彼等は上手くやれているでしょうか?
ああ……私が王印を無くさなければ……はぁ……」
(自分の不甲斐なさを責めると同時に一人の女性の身を案じる)
(拾った王印を悪用せず、送り届けてくれた◯◯のことは信用している)
(ダークエルフを虐げるような人間ではないだろうし、送り出した彼女もまた、簡単にやられるような弱い女ではない)
(だが我々の種族と人間では価値観も文化も違う、関係が上手くいくか保証はない)
女王「文を送り、様子を見ましょう……
それでもし関係が冷え切っているのなら、すぐに戻るように伝えましょう……」
(女王は立ち上がり、自室へと戻る)
(数時間すれば手紙は書き上がり、それを鳩に咥えさせ飛ばした)
(飛び立つ鳩を見つめ、祈る)
(どうか2人の仲に争い無きように、と)
数日後