(──魔法使いの少女・アルヴ)
(魔術の叡智を日々黙々と学んでいる彼女は近頃様子がおかしかった)
アルヴ「はぁ………」
(最近、何だか身体が熱い気がする……)
(心臓の鼓動も早い気がするし、頭もボーッとするし……)
(もしかして……アレなのかも……)
(でも私には……)
(──発情期だ)
(一般的にダークエルフ族は成人に近付くと発情期を迎え(個人差あり)、その年頃には適切なパートナーを与えられる)
(しかしアルヴは魔術の研究に没頭したいという理由と長年軍で活躍した父の娘、という立場を利用して婚姻を先延ばしにしていた)
(その結果、パートナーがいない状態で発情期が来てしまうという前代未聞な状況に陥ってしまった)
(魔法の中に発情期を押さえる呪文はなく、なんとかこれを抑える方法はないかと模索していた……)
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