なーに悲劇のヒロインぶってんのさ。

(不意に声がしたかと思えば、目の前に車が止まって)
(その窓枠に肘を置いた山崎さんが、呆れた顔でこちらを見ていた)


ほら、お望みの“連行”だよ。乗って乗って。

というか、どうやってここが俺の家だって分かったの? 誰かから聞いたとか?
それにしては、途中で不安そうにしてたけど。


私メリーさん、このお家山崎さんの匂いがするの

私メリーさん、今から連行されるの…