恋人……の、振り?

(ゆっくりとオウム返しした山崎さんに頷けば、ぱちぱちと瞬きが返された)
(山崎さんが呆けているのを良いことに、「実は……」と話を切り出す)


……なるほど、最近誰かの視線を感じる……かぁ。

確かに、警察は実害出てからじゃないと動けないからなぁ……
まだ何もされてないとはいえ──というか、何もされてないからこそ怖いよね。


……うん、分かった。
つきっきりって訳にはいかないし、俺の出来る範囲にはなるけど……
それで○○さんを助けられるのなら、協力するよ。

(どこか躊躇うような雰囲気を醸しつつも、山崎さんは頷いてくれた)
(「ありがとうございます」と頭を下げながら握手を交わす)

(……こうして、私達は仮の恋人関係となった)



(まぁ、視線の話は嘘なんだけど)

(これで、解決してくれたら良いんだけど……)

恋人の振りをしてほしいんです