お、俺が、○○さんに!?
……色仕掛けって言われてもなぁ……

(困った顔で頬を掻いていた山崎さんは、視線を右に左にと泳がせて)
(それから諦めたようにため息を吐いて、正面の位置に居直った)


……ねぇ、ちょっと手ェ出して? こう、パーにする感じで。
……。
うん、そうそう。そんな感じ。

(へらりと笑ったかと思えば、私の手のひらに山崎さんのそれが重ねられて)

うーん、意外と違うもんだね。
手の大きさだけじゃなくて、指の長さとか太さとか……

(その喋りに合わせて指の腹が、側面が、撫でるように擦られる)

……そういえば、さっきからハニートラップだの色仕掛けだの言ってるけど……

(すり、すり、と優しく触れる指は暖かく、少し骨ばっていて)

……○○さんにとって、どういうのが“色仕掛け”なの?

(そこで不意に、私の手を撫でていた指が絡めるように握られた)

例えば、容姿を使って惑わせたり……
例えば、関係を持って誑かしたり?
一口に言っても色々あるよね。

(きゅうと握られた手が、その暖かさを伝えている)

……ねぇ、教えて?
○○さんにとって、“これ”は色仕掛けに入る?

(その目尻は、やわく緩められていた)


こっ…こやつ…!只者ではないな!?

あ、だめ。無理…何でも喋ります…

すきぃ

えっちなのはいけないと思います!!!

ひぇ…(真っ赤になって固まる)

膝から崩れ落ちる

こうかは ばつぐんだ!

もう少し煽られたら危ないところでした

は?すき。責任取って結婚してください

ちょっと色仕掛けしてみてください