(……ザアザアと、サラサラと、雨が降り続いている)
(ここを訪れた直後は視界が白む程の勢いで降っていたそれも、流石に弱まってきたようだ)
(とはいえ、まだまだ傘無しで歩き回れる程の雨ではない)

(隣の山崎さんと話して、雨音を聞いて)
(そうして穏やかな時間を過ごしているうちに、瞼が重くなってきた)


……あれ? はは、本当に眠くなってきちゃった?
そうだね……まだもう少し止まないだろうし、ちょっとくらい寝ちゃっても良いんじゃない?

あ、直接横になるのは嫌だよね。
上着敷いとくから、ここ横になっていいよ。

(ジャケットを脱ぎ、私の横に敷いた山崎さんはそれをぽんぽんと叩く)
(流石にそこまでは……と思うも体は眠気に逆らえず、おとなしく横になる)


雨がやんだら起こしてあげるから、ゆっくりお休み。

(静かに降り続く雨の音、その匂い)

……俺は、ずっとここにいるから。

(最初は外界と区切る仕切りだったようなそれが、今ではゆりかごのようで)

だから、きっと来てね。夏祭りも……

(その穏やかな音が、緩やかな眠りに誘った)




△だから、またいつか