舞「何このボロボロの本?」

暦「これは広技苑といって、ファミコン〜PS2までの裏技が載っている、辞書みたいなものですね。
今でも古いゲームを遊ぶ時とか、時々見ているんです」

舞「えっ?わざわざ本なんか見なくてても、スマホで調べれば早くない?」

比奈「早いとかじゃなくて、こうゆうのは本とか見るからこその楽しみがあるの、わからないかなー」

舞「メンドくさいだけじゃん」

暦「ふふっ♪
確かに、ちょっと面倒な時もあります、調べるのが楽しいってのもあります…けど、それは理由じゃないんです」

比奈「って言うと?」

暦「この本、お父さんから貰ったんです。
お母さんと二人でボロボロにした、世界で1冊しかない、最高のボロボロの本だって。
大切な思い出なんだって。
だから、いつか私も大切な人を見つけたら、自分の思い出を語りながら、一緒にこの本を使いたいなって…そう思って」

舞「こよみんも中々乙女ですなー

比奈「でも…そうゆうの、ちょっと羨ましいなー」

暦「ただ、お父さんが言うには、怒ったお母さんに何度も投げつけられて、凄く痛かったとも言ってましたね」

舞「仲の良いことで」

投げるのに使ったからボロボロになったのでは?
ボロボロの本