万作「なあ…氷浦
〇〇はどこ行っちまったんだろうな

お前はいつも〇〇のこと追いかけてたから、何か知ってるんじゃないか?」

氷浦「わからないよ……
知ってたらすぐ見つけだして、ずっと〇〇の傍にいる! こんなところでひとりでイライラしたりしない…っ!」

万作「そうか……


……〇〇……っ!?」

氷浦「〇〇!?


……そういう冗談やめろよ万作、俺は本当に〇〇がいるんだと…!」

万作「は…? お前こそ冗談やめろよ氷浦、〇〇はここ…に……っ!?」

〔言い終わらないうちに、万作は気づいてしまった
自分が目に映すその姿は、どこか現実味を帯びていない……具体的に言えば、半透明で向こう側を透けて覗かせることに〕

万作「〇〇…お前……どういう…ことだ…?」

氷浦「万作、いいからその冗談をやめろ」

万作「氷浦には見えないのか…!?」

氷浦「は?」

万作「いや…いい……」

〔万作は探していた姿をじっと眺め、悲痛そうに目を細める〕

万作「(なんだよその姿……そんなの、最悪の結末しか考えられねぇじゃねぇか……
もし、もしその“最悪”がこいつに起こっていたとして、俺の前に姿を現わすのは…なんでだ……?


なあ〇〇、答えてくれよ
どうしてそんな姿なのか、どうしてここにいるのか…
せめて、俺にだけでも……)」



〔どうやらこれは夢のようだ〕
透ける