(ある日の大雨の午後、出掛けられないからと執務室に招かれて彼が淹れてくれたお茶を飲んでいた)
美味しい?
君が好きそうな茶葉を取り寄せたんだ。宴席で鍾離先生にお茶の淹れ方を教わっておいて良かったよ
(紅茶の香りに包まれた部屋で他愛もない話をする。そんな柔らかな時の中、心地が良くて眠気に襲われた)
(困ったように笑う彼がぼんやりと見えたものの、眠気に逆らえそうにない。視界が、歪んで…、)
エカテリーナ、例の件は?
…はい、渡航手続きは完了しました。
そ、ご苦労様
俺も此処での任務は終わったし、後は彼女を連れて帰るだけだ
…いつまで経っても君が決心してくれないんだ、もう待ってあげられないよ
(静かに眠る彼女の頬をそっと撫でる
これからはこの寝顔を見るのが日常になると思うと自然と笑みが溢れた)
さぁ一緒に帰ろう、楽しみだね
倒れる