...猫?
(先ほどまで一緒に居た猫がいない
どこかへ行ってしまったのかもしれない)
猫なんかほっとけよ どうだっていいだろ...
(先へ進もうとするグリを引き留めて説得する)
はぁ......そこまで付き合うつもりはねえよ もういい、凍え死んでろ
(グリに身体を突き飛ばされ、近くの木にぶつかってしまう
木の上から「ふしゃーッ」と生き物の声が聞こえた気がした)
(真上を見ると、木の上に猫が登ってこちらに威嚇をしていた
...こちらというか、おそらくグリに対してだ)
...ああ、あれか
生かして持って帰る必要があるんだよなぁ?死んでいてもいいならすぐ終わるが...
(殺すのだけはやめてくれと熱弁する)
(グリは怠そうに魔道書を取り出した)
(本のページが風に舞いぺらぺらと捲れる
と同時に実体を持った風の刃が現れ、木を切り刻んでいく
枝が折れ、葉は散り、実がぐちゃりと潰された)
(...猫も危ないのでは?)
(心配していた矢先、刃が猫のすぐ傍を掠める
猫自体には触れずに、猫が乗っていた枝のみを切り落としたようだ)
(甲高い鳴き声を上げながら猫が下へ落ちていく
幸い雪が積もっていたおかげで怪我はなさそうだ)
(だが、やり方が少し手荒すぎる...)
ふしゃーッッ!