(人よりも魔道の才に優れていた 最初はただそれだけの理由だった
眠りについた邪竜を目覚めさせるには生贄が必要だと
何の才もない人間よりは役に立つだろうと聞かされてきた)

(祈る以外の道は端から塞がれていた)

(いつしか、祈ることは当たり前になっていた)

(祈りの為に血を流すことが当たり前になった)

(そして狂っていった)

(血を求めること自体が正当なことだと思うようになった)

(生きる為に祈っていたはずなのに)

(いつから苦痛を得る為に生きるようになった?)

(あの頃の記憶で思い出せるのはこれくらいだ)



(いつの間にか周りには誰も居なくなっていた)
傷1