錆びだらけの遊具が設置されている閑散とした公園にぽつんとひとり。
ベンチの上で寝そべっていた。
何故か靴はなく。地面に置かれている鞄から悪戯に落書きされた教科書が飛び出し、筆記用具らしきものは使い物にならないくらいに壊れているのが分かる。
呆然と見ていると「見世物じゃねぇから」と少年の声がした。
彼女⋯⋯ではなく、彼はこちらを一瞥し、すぐに視線を逸らして散らばっていた物を鞄の中に押し込むと、そのままゴミ箱へ捨てる。
声を掛ける暇もなく、彼はそのまま何処かへ行ってしまった。
後日、また夕方に公園へと訪れると彼の姿があった。
あなたは思いきって話しかけてはみるのだが⋯──