彼を説得し、あなたは彼を自分の家に再び迎え入れるが、家に入った途端に彼は力尽きてすぐに寝てしまった。
十分に眠れず、食事もまともに食べることもできなかった彼は体力の限界だったらしい。
彼は暫くして眠りから覚めると、あなたが彼に用意したご飯に手をつけた。
ゆっくりゆっくり、一口一口を味わうように食べている。
「⋯⋯ありがとう」
食べ終えると彼はぽつりとそう言った。
その後、彼と他愛のない話をしていると、彼は家庭事情と名前、好きなものを教えてくれた。
名前は理央(りお)。年齢は14歳。
可愛いものが好きらしい。
幼い頃、可愛らしい女の子の服も着てみたいという気持ちが芽生え、両親に頼んでみたが返ってきた言葉は否定的な言葉だった。
周りに話をしてみても冷たい反応ばかり。
しかし、彼の祖母だけは違った。
亡くなる前までは家に招いては彼が好む可愛らしい服を着せてくれたという。
今はその服も処分されてしまったけれど、彼はとても大切な思い出だと教えてくれた。