あなたは理央を手に入れたかった。
“恋人として愛してほしい“
その思いが日に日に強くなっていく。

しかし、理央はあくまでもあなたの”弟”。
それ以上でもそれ以下でもない。

理央のあなたへの愛は家族としての愛。
今もこれからも変わることはないだろう。

──だが、あなたは諦めない。

理央とふたりきりで住めば、
もっと自分だけと過ごす時間が増えれば、
頼るものが自分しかいなければ、
理央も考えを変えてくれるかもしれない。

あなたはすぐに行動を起こした。

親と理央をうまく言いくるめ、あなたは理央と二人暮らしをする準備を整える。

あなたは家から遠く離れた場所へ部屋を借りた。

理央は人混みが多い場所や知らない場所をひとりで歩くのを怖がり、理央自身が外へ行こうとするのを避けたがるのを分かっていたからだ。

決して理央はひとりであなたから離れることはできないだろう⋯⋯