名前:ソフィー・ノイエンミュラー

品質3

(……97…98…99…100…っ!!!)




(ふう…今日の素振りはこんな所だな…これ以上は明日に疲れを残してしまう。

……いよいよ明日か…まさかこんな事になるなんて…少し前の自分なら思いもしなかったろうな…)



(ライザ達と冒険していく内に知った真実…クーケン島がクリント王国が錬金術で造られた人工島である事。動力を調達できないと島が沈んでしまう事。リラさん達オーレン族とその故郷…異界の事。

そして、異界から『大侵攻』…かつてクリント王国を蹂躙した蝕みの女王が率いるフィルフサの群れがもうすぐこの世界にやってくる…その前に、自分達7人だけで異界に向かい、フィルフサの群れを搔い潜り、蝕みの女王を倒さなければならない事…

…口にするだけでも途方もなく無謀な事この上ない。だが、やらなければ島が…村に住む皆が…いや、下手をすればこちらの世界そのものが蹂躙されてしまう。それだけは絶対にさせる訳にはいかない。

……ライザ達の力を疑う訳ではない。だけど、果たして今の自分達で勝てるかどうかは…正直分からない。自分達が本格的に強くなったのはつい最近の事なのだ。それに、リラさんやキロさんのような高い戦闘能力を持ったオーレン族の聖地を奪い取り、その聖地の力を蓄えた蝕みの女王とフィルフサの軍勢に、女王の弱点どころかどんな姿形かも分からないまま挑まなければならないのだ。良くて女王と相討ちか、もしかしたら女王の許へすら辿り着けず全滅という事も十分に有り得る。

せめて…せめて、もう少し時間があれば…自分を鍛え、女王やフィルフサの生態を詳しく調べる時間があれば…望みがあるかもしれないのに…!)





『…とっても強い想いと願いを感じる…うん、この人に頼むのが良さそう!それで、わたしのお願いも聞いてもらえればラミィにバレずに済むかも…えっと、強さを求めてる人には…こんな感じで…』

(ん…?こんな時間に誰かの声が…レントも鍛錬しに来たのか?いやでもさっきの声は女性だったような…)









『――――力が欲しいか?』

誘われるは夢幻世界