(雄英にもようやく少し慣れてきた頃)
(ネットや人々の中ではいわく"音もなくあらわれた"、"AFOのように複数個性を持っている"、敵から救ってくれるが――"その姿は血と泥でとてもじゃないがヒーローのように見えない人"の噂が流れていた)
(その人が少年のような背丈である事――その人はいわゆる"AFOが追っていた存在"ではという噂も、同時に)
(PP!)
(メッセージの通知音にスマホを見ると"ホークス"と表示されていてすぐにメッセージを開いた)
『〇〇さんは、今のヒーローをどう思いますか』
(シンプルなようで難しい問い掛けに返事を打とうとしていた手が止まる)
(今まで遠かったヒーローはこの崩壊しかけている社会ではそう遠くなくて、むしろ同じ人として近い気さえする)
(問い掛けている当の本人が足掻いて諦めずに"ヒーロー"を続けてる)
(隣人である誰かを守るために、正しい事を為そうとしてる人を支えるために)
(返事を返せないままでいると矢継ぎ早にメッセージが来た)
『AFOが狙ってるのは雄英の生徒って、知ってますか。あなたもネット記事か動画で見たでしょ』
(…確かに見たし、その子が雄英へ戻って来ることについての説明を受けたことを返した)
『ああ、もう説明は受けてたんですね
その子はまだ子供です。もっと俺たち大人がしっかり同じ速さで隣に居てあげなきゃいけなかったのに、一人で走って行ってしまうような子です。
あなたは、彼をどう思いますか』
…休む場所が、必要じゃないかな