(風…)
(窓が開いた)

……あ、窓の鍵開けっ放しじゃん
閉めないといかんよ

(啓悟…)

姉ちゃん、具合良くないんでしょ
…なんで連絡くれんと?

(言いながら羽で窓を閉めた啓悟がベッドの傍に来てちょこんと座り込んだ)
(布団も何も無いあの家で床に転がすのは嫌だと弟が家中からふかふかしたものを掻き集めた日々を少し思い出す顔に頭を撫でた)

…姉ちゃん、飯は?食った?
……、…まだ?も〜…

なんなら食えそう?……ん、お粥ね
はいはい

……ねぇ、姉ちゃん
ちゃんと連絡してよ

なんもない方が心配だから

(ガサガサとレジ袋から色んなものを取り出す背中は昔よりずっと大きい)

聞いとる?…聞いとるならいーけど…
薬はいつもんとこにある?

ん、りょーかい

啓悟…ごめんね