「今すぐ結論出さなくてもいいよ」
(はなびが助け船を出すように口を挟む)

「急いては事を仕損じるって言うだろ? ……やっと泣き止んだばっかじゃん。まだ心が落ち着いたとは言いがたいよ」

「まぁ……、思えば、私もかなり花織の心をかき乱すようなこと言った気がするけどね」

「そ、そんなことないよ……、はなびちゃんは……」

「てかさ……、それやめない?」

「え?」

「私は“花織”って呼んでんだからさ……。“はなび”でいいよ」

「え? でも……」

「……アンタ、いろは以外呼び捨てで呼ばないとかそういうのあんの?」

「い、いや別にそんなことないよ!」

「えっと…………、じゃあ……、はなび……?」

「……ん」

「あ、サポーター二人にも言えることだからな」

「そうはいきませんよ……、『wise Shark』」

「あ、そう! ウチのことも“花織”って呼んで!」

「いえいえ……。『handful hope』」

「さっき休んでいいって言ったのはメアリーさんでしょ! ……だったら、休む時は、コードネームで呼ばなくたっていいじゃん……」
(結局花織は休むのか休まないのか。困ったようにメアリーと顔を見合わせる)

「サポーターさんは、“花織”って呼んでくれます?」
わかりました、花織。