
「おぉ、美味そうじゃん」

「よかったです」
(はなびの部屋で、四人で食事を食べた)
(日本の朝ご飯……といった食事だったが、はなびは美味しそうに食べている)
(花織は……、表情は暗いものの、食べてくれていた)

「えっと……、今日は、疲れてますよね」

「そういう時は、甘いものがいいと思うので……、デザートも用意してきました」

「まんじゅうか……。甘いものって言うからケーキか何かかと思ったけど、チョイスが渋いね」

「に、日本人らしく和食にしたので……、合うものをと……」

「ははっ、確かに。焼き鮭に白米に味噌汁出てきて、食後にケーキやビスケットじゃ変だもんな」

「ま、まだ早いですし……、お店も開いておらず、コンビニで買ったものなんですけどね……」

「まんじゅうとか、嫌いじゃないけど、買ったことないや」

「……あ、美味い」

「そ、それはよかったです」

「…………」

「…………いろはに聞いたんですか?」

「え…………?」

「このおまんじゅう……、いろはがよく、お礼にって、ウチに買ってきたものです」

「宿題見てくれたお礼とか、傘に入れてくれたお礼とか、魔法少女ものの映画を一緒に観に行ってくれたお礼とか」

「コンビニでもよく買えるし、いろはが一番好きなおまんじゅうだったから……」

「……いろはさんの好きなおまんじゅうでしたか」

「そりゃウチはおまんじゅう好きです……。でも別にこれは……」

「………………」

「っていうか、これしかネタないのかー!? 違うおまんじゅうも買ってきたらどうなのよー!」

「っ!」

「『だってあたしはこれが一番好きだもん! カオリンもおまんじゅう大好きでしょ?』」

「だからって毎回毎回おんなじの食べさせないでよー!!」

「……はぁ……はぁ……」

「…………もう二度と、そうやって、このおまんじゅう、持ってきてくれないんだなぁ……」
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