名前:『wise Shark』

デモンズを31匹倒した

「私は、両親の、重たいだけの手を振りほどいて起き上がった。そして、二人を呼んだ」

「二人とも血まみれで……、血以上に出ちゃいけないものまで見えてて……、ぴくりとも動きゃしない」

「私は、ただただ泣き叫んでた」

「二人が、遠くに行っちゃったみたいで。私を置いて、帰ってこないみたいで」

「デモンズは、飛ばした私たちを追って、じりじりと迫ってきていた」

「私は、親父とお袋が起き上がるまで、そこにいるつもりだった――」


「ちょうど飛ばされた先には救急隊員がいたようでね。デモンズより先に、救急隊員が私のもとに駆け寄ってきた」

「救急隊員は、早く逃げろと私の腕をつかんだ。私はその手を振りほどいて、『親置いて逃げられるか』って、さっきまで私の上に乗ってた二人の手を握ったんだ。…………冷めてたって感じだけど……、でも、まだ……冷たくは、なかったんだ…………」

「ただ、さっき私が花織に言ったようなことを言われた。このままだとお前まで死んでしまう、そんなのご両親が望むのかって……」


「私は、救急隊員に連れられて、ぐちゃぐちゃの両親から離れた」


「救急隊員に手を引かれながらも振り返った時、親父とお袋のもとにはデモンズがいて――」


「もっと、ぐちゃぐちゃに、させられてた――――」



7話2a3