
「立てる……?」
(はなびがゆっくりと花織を下ろす。崩れ落ちそうで、慌ててはなびが支える)

「花織、MSオフにしよう……」

「…………」
(MSの起動には脳波を送信する必要があるが、オフにする時は少女が『オフにしたい』と思えばそれで可能だ)
(二人ともMSをオフにし、普通の少女へと戻る)
(花織は、まだはなびに支えられている)

「メアリー、アンタ花織のサポーターだろ。支えてあげて」

「あ、え、えっと……」
(メアリーは、自分が花織に触れていいのかためらっているようだ)
(花織が拒絶するなら仕方ないが……、そうでないのであれば、メアリーが支えるべきであろう)
(文字通りメアリーの背中を押した)

「サポーターさん……」
(メアリーは花織に近づく。そして、はなびと入れ替わるようにして、花織の体を支えた)
(花織は、拒絶しない。……ひとまず安心だ)

「じゃあ、救護室……行くんだよね」

「……ねぇ、提案があるんだけどさ……」

「……こっちに来てくれない?」
(はなびは、花織を連れていきたい場所があるのだろうか)
(メアリーと顔を見合わせた。今の状況下、はなびが変な場所に行きたがっているとは思えない)
(メアリーと頷き合い、花織を連れて、はなびについていくことにした)
7話:過ぎ去った現実