名前:『wise Shark』

デモンズを31匹倒した


「………………」


(メアリーから反応はない)

(もう一度声をかけようとすると、メアリーが口を開いた)



「私は…………、『handful hope』に会っていいのでしょうか…………」


「……いろはさんが、果敢にデモンズに向かっていきました。今回のデモンズは、言うまでもなく過去最大でしょう。普通のMS少女のいろはさん一人で敵う相手ではありません」


「『handful hope』も向かわせるべく、私は声をかけました。……しかし、私の言葉は、何一つ彼女の耳には届かなかった」


「いら立った私は、彼女に怒ってしまった。彼女も私に怒った。……あろうことか、ケンカをしてしまったんです。サポートすべき対象と、デモンズの前で」


「その時でした。いろはさんがデモンズの攻撃を受け、気を失ったのは」


「…………もう、その時には、すでに手遅れだったとは思います。サポーターさんと『wise Shark』がすぐ動いてくれましたが、いろはさんの呼吸は、気絶後まもなくして止まり……、MSもオフになりました」


「『wise Shark』が『handful hope』のもとに来てくれた時、すでにいろはさんは死んでいました」


「…………私が……、『handful hope』を奮い立たせることができていれば……」


「…………いろはさんを殺したのは、私だ…………」


「…………『handful hope』は、もう私の顔など見たくないかもしれません……」


(何と声をかければいいかわからなかった。今は、そっとしてあげるべきなのかもしれない……)

(しかし、自分たちの仕事は、対象のサポートだ。それは戦闘に対してだけではない)

(今は、お互い気まずくても会いに行き、状況確認をしなければならないだろう)

(メアリーも、ここでじっとしていていいわけでないことはわかっている)


(しばらくして、メアリーは動き出した。……共に、モニタールームを後にする)



6話7