
「はぁっ……はぁっ……」

「さすがに……、命の危険を感じたね……。こりゃ普通の人間なら泣くわ……」

「……ん…………」
(水の音が聞こえる。見れば、はなびの体を水が包んでいた)

「…………あれ?」

「なんか……、楽になった。やけどしたと思ったんだけど」

「てか、なんかきもちいい……」

「……聞いてなかったけど、これもMSの機能なのか?」
(MSには、確かに修復機能はある。しかしそれは、“MS”の修復機能だ。MS少女の体を治癒するものではない)
(NMSに、少女自身を回復する機能があるなんて話は聞いていないが……)

「…………」

「さすがに、ちょっとびびった。まだ眠気もあったし、思った以上にでかかったし」

「でもま、おかげで目は完全に覚めた。……もう大丈夫」

「あのタイプのデモンズって……、ドレイク型だっけ? グリフォン型だっけ? 見た目似ててややこしいね」

「デモンズの弱点は心臓。そして、デモンズの心臓は体の中央にある……だったよね」

「ドレイク型とグリフォン型の共通点は、二足歩行をする羽の生えたデモンズで、それは人の形みたいに見える。そしてやつらには、女の胸みたいな膨らみがある。……弱点、その間だよね」
(はなびの頭の中には、昨日資料室で読んだ資料があるのだろう。その通りだ)

「…………そして羽が生えてるから」
(はなびが身構える。バサバサと大きな羽音が近づいてくる)

「お出ましだ」
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