
「――――――へっ」
(と……、イコが、こちらを見ている?)
(しかしそれは一瞬で、イコは客席のあちこちに手を振っている)

「きゃ――――――っ、今イコちゃんと目が合っちゃった――――っ!」

「なっ、何を言っているんだい花織くん!! イコたんは私を見てくれ……デュフフフフフフ!!」

「あっ、あっ、あ…………、そ~……だよね……」

「ここあ?」

「い、いや、今、イコと目が合ったような気がしてさ! ……じ、自意識過剰ってやつだよね、うん」

「ワンチャン服のかわいさに見惚れてたのかもよ?」

「あっ、そうかもよ!」

「姉ちゃんスカウトされちゃうかも!?」

「え、えぇ!? ……そ、それだったら光栄すぎるにゃぁ~……」
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