「ううん。……別に、平気」

「もともと、親父は授業参観をはじめ、学校の行事に来ないのは当たり前だった。……生きてたところで、来ないだろうし。今さら寂しがるのも、変」

「べ、別に変じゃないよ」

「いや……、変だよ」

「それより、ほら。マリオンさんに誕生日おめでとうって言いに行くんだろ? はぐれないよう手繋いどいてやるから、ほら、行くぞ」

「もっ、もー! なんでいつもいつもはなびはウチを子ども扱いするのよー!」
(はなびが花織の手を取り、歩き出す)
(その背中を追いかけるのが、どうしてかためらわれた)
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