「家族……か……」
(セイラたちの背中を見送るはなびが、ぼそりとつぶやく)

「……はなびは、セイラさんたちについていきたかった?」

「え? いや別に? 何で?」

「ウチたちじゃ、お母さんやお父さんの代わりには……なれないでしょ? ……他人のだとしても、“お母さん”や“お父さん”のそばにいたら……」

「生憎、私の父親も母親も、一人だけなんだ。……これから増やす気はないし、増えたところで嬉しくはないさ」

「ただ……、そうだね。久々に、同年代の親を見て、なんか……浸ってただけ」

「見れば、親も結構来てるんだね……」
(確かに、セイラのように両親揃って訪れている人たちも多そうだ)
(……ここの生徒は、命をかけてMS少女になっている。無事にMS少女生活を終えられる保証はない)
(だからこそなのかもしれない)

「…………」
寂しいですか?