(脳波の測定が終わり、解放される)
(これから、空いた時間で構わないので定期的に脳波の測定に来てほしいとのことだった)
(陽彩たちと別れ、はなび、花織、メアリーと歩く)

「黴体生物……か……。……資料室にあったかな」

「多分ないと思います……。黴体生物に関しては、本当に極秘扱いされているみたいで、私も陽彩さんのお話以外知りません」

「エリザさんも、“陽彩さんを襲ったデモンズが黴体生物を持っていた”と言っていますが……、私は、デモンズがそのようなものを持っていたところを、今まで見たことがありません」

「昔、漫画で見たことがある。何でも体の悩みが解決するクスリを売ってる薬局……だったかな」

「そのクスリは、地球の侵略を企む宇宙からの生命体が入ったカプセルで、飲んだ人間に寄生する……。宿主が死んだら生きていけないから、なんとか生かそうとする……そんな話だったと思うけど」

「…………デモンズも、黴体生物も……、何なの?」
(はなびの問いに、誰も答えられるわけがなかった)

「……黴体生物があれば、死んでも生き返らせることができる……のかなあ?」

「陽彩さんとチャンサマの会話聞く限り、そう単純な話でもなさそうだけどね」

「……黴体生物というものが脅威でないことを祈りたいもんだ」
(はなびの言葉に頷き、医療棟を後にした)
15話:イコ