(それぞれ、複雑な気持ちが胸の中渦巻いているのは確かだ。……そしてそれは、消えるかもわからない)
(それでも、相手を思いやる気持ちを忘れなければ、自然と前を向ける。――そんな気が、する)
(優しさは、連鎖する)
(いろはも……、きっと、わかってくれていると思う)
(彼女も、すごく優しい子なのだから)
(彼女が遺した優しさを、今度は花織が誰かに届けるだろう)

「…………よし! 今日は寝るか、ここでみんなで」

「ええ!? みんなって……、四人で!?」

「今日くらいいいじゃん」

「一人にしちゃうと泣いちゃうかもしれないしな~?」

「も、もー……! なんか子ども扱いされてる気がする!」

「ははっ、まぁ私より小さいもんな、花織」

「どーせウチは貧乳よぉ!」

「……身長について言ったんだが」
(はなびが花織の頭をぽんぽんなでる)

「……一応ウチの方がお姉さんなんだからね?」

「わかってるよ、カオリンお姉ちゃん」

「むう」
(花織が頬を膨らませた)

「布団持ってこれる?」

「はい……。四組ですか?」

「そりゃ花織一人ベッドで寝かせちゃ意味ないしね~」

「わかりました……。では、行きましょう、サポーターさん」
はい。