(しばらくすると、扉の向こうから花織の泣き声が聞こえてきた。……大声で泣いているようだ)

「…………」

「…………ぐちゃぐちゃなんだろうな、いろは」
(はなびの言葉の通りだとは思うが、頷くことはできなかった)

「……会って、後悔しなければいいのですが」

「まぁ……、むしろ会わずにいる方が後悔するんじゃないかな……」

「………………」

「…………この後って、私は何すればいいの……?」
(丹は、授業が休みと言っていた。そのため、はなびがすることは特にない)
(部屋で寝てもいいし、商業区画に遊びに行ってもいい。何なら、また資料室で調べものをすることも可能だ)

「そう……。まぁ、何してもいいなら……」

「……サポーター二人は、どうすんの? 何かやることあるの?」

「私は……、花織さんが何かご用があれば応じますし、そうでなければ……」

「……アンタは?」
(自分も、はなびが何か用があればそれに応じるが……)

「んじゃ、命令。……花織の様子見てからでいいけど、特に私たちが邪魔そうでなければ、花織のそばにいてやろう」

「私たちは……、今は、それくらいしかできないだろう…………」
わかりました……。