（エリザは、カップをソーサーに置いた）



「……ふぅ。だからね、最初から別に期待はしていなかったのです」


「失敗したからって悔やむことはありませんわ。……あなたは、ワタクシを見事守り、デモンズをやっつけたではありませんの」


「泣くのはおやめなさい。『次は上手くやります』……ワタクシは、それが聞きたかったのですわ」


「……あ…………」


「……でも……、ウチは、いろは、を…………」


「最初から上手くできれば上出来ですが、そうもいかないものですわ。ワタクシだって何度も失敗しております」


「成功するためには、多少の犠牲もつきもの……。……そう考えなさい」


「そして、もう二度と同じ過ちを犯さないと誓いなさい。……それだけできれば、十分ですわ」


「……まぁ、ほんの数時間前の出来事だものね。気持ちの整理がつかないのも理解はできるけど、嫌でも慣れていってもらいますわよ」



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