「いえ、いりません」

「だいじょうぶ! あたしはなびちゃんのこともサポートするよ!」

「…………気持ちだけもらっとく。自分のサポーターがいれば、それで十分だ」

「わ! 初対面なのにもうサポーターさん、はなびちゃんにぜんぷくの信頼されてるんだ~! すごーい!」

「………………」

「でもそうだよね~! はなびちゃんもカオリンも、世界に二人しかいない特別なMS少女だもん! だったら、サポーターさんだって特別にすごいに決まってるよねっ!」

「ご、ごめんね! この子悪気はないの……!」

「えっ……、あ、あたし、はなびちゃんに変なこと言っちゃった?」

「…………いや、別に」

「はなびちゃんは、いろはちゃんと同じなのよ。早く戦いたくてうずうずしてるの」

「あっ、そっかー! うんうん、わかるよー! 普通のMS少女は、一年は座学中心で、滅多なことじゃないと実戦には参加できないもん! 早く戦いたーいって、毎日思ってたよ!」

「一年生の終わりになって、ようやく戦闘にも積極的に参加できるようになったの! もうすごく充実してるよ! あたし、昔から魔法少女に憧れててね、世界を救う仕事に就きたいと思ってたの! MS少女はテンショクだと思ってる! でもずっとMS少女ではいられないんだよね~、残念……。でもカオリンやはなびちゃんは」

「はいはい、いろはちゃん。おしゃべりはそこまで。実際にはなびちゃんや花織ちゃんには、即戦力となってもらわなきゃいけないんだから、まずはいつでも戦えるよう、準備を整えないとね」

「では、外に行きましょう。サポーター二人もついてきてくださいね」

「はーいっ!」
2話:NMSオリエンテーション