お?
今日花織かメアリー誕生日なの?

「え? ウチは違うよ? メアリー?」

「わ、私も違いますよ?」

「あ、いや…………、ひょっとしたら今日が誕生日かもしれませんけど……」

「どういうこと?」

「私、誕生日が不明なんです……。生まれた年ですら、正確にはわかっていないんですよ」

「そうなんだ?」

「じゃあ、誕生日プレゼントとか……、もらったことないの?」

「そうですね……」

「……ちょっと寂しいね……」

「まあ…………、昔は、そういう気持ちがあったことは否定しませんが……」

「でも、今では特には」

「…………」

「…………でも、せっかくだし、“誕生日”ではなくても……、何かメアリーの記念日を作って、お祝いしたいな」

「拾ったイヌとかネコなら、拾った日を誕生日にするって話はあるよね」

「じゃあ、メアリーがウチのサポーターになった日! ……とか、どう?」

「えっ? えと……、でも、そんな、お祝いなんて……」

「メアリーが花織のサポーターになった日って、サポーターが私のサポーターになった日でもあるよね……?」

「じゃー、まぁ、一年後にはなんか祝えたらいいのかもな」

「そんな……。私たちはあくまでサポーターなんですから、そんな気にしなくてもいいんですよ……?」

「サポーターでも、友達じゃん! 友達なら祝うのは普通だよー!」

「って、そういえばはなびの誕生日知らなかった! はなびの誕生日はいつなの?」

「私は9月だ。9月5日。花織は?」

「ウチは、7月8日だよ」

「……って、サポーターが『誕生日おめでとう』って言ったのって……」

「ひょっとして自分に対して祝ったのか……? じゃあアンタ今日が誕生日なの……? お、おめでとう……」