「決まりですわね」

「じゃあ早速、帰ったら作りましょう!」
(早速すぎる)
(確かにエリザの家なら、材料を買い揃えなくてもすでに揃っているかもしれないが……)
(エリザの家で作ったら、じいやさんにばれてしまう)

「あぁ……、そうね、プレゼントはサプライズな方が嬉しいですものね!」

「じゃあワタクシが、サポーターの家に行きますわ! これなら問題ないでしょう」
(エリザが家に……)
(もちろん問題はないが、超お嬢様を自分の家に招くのはなんだか気が引ける)

「安心なさい、ワタクシの家とサポーターの家が違うのは千も万も笑止ですわ。猫の寝床くらいのキッチンでも気にしません」
(それより日本語が間違いすぎているのを気にしよう)
(そもそも、まだ贈ると決めたくらいで、材料は何も用意していないし、どんなチョコにするかも決めていない)

「去年、蒼がおっきなハート型に“好き”って書かれたチョコをたくさんもらっていましたわ」

「あーゆーのでしょう?」
(それはさすがに恥ずかしいかも……)

「そうね、ハレンチよね」
(ハレンチとは言わないが……)

「チョコにも色々種類がありますわよね」
じいやさんには好きなチョコってある?