(覚悟を決めて――、かばんから小箱を取り出す)
(今日のために……そして、じいやさんのために作ったチョコレート)
(それをまっすぐ……、じいやさんに向かって差し出す)

「これは……」
(自分の気持ちだ。……じいやさんに受け取ってほしい)
(じいやさんは、一瞬戸惑った表情をしたものの、そっと受け取ってくれた)

「ありがとうございます。……まさかサポーター様からいただけるとは」

「ちゃーんと味わって食べるんですのよ、じい」

「ええ、もちろんですとも。……お嬢様?」

「当然、ワタクシチャンサマも作ってきましたわ!」

「いつもありがとうございます」

「……ふふっ、改めて言うと照れますわね」

「お嬢様……」

「今日のために、サポーターと作りましたの」

「結局、じいに敵う味は出せていないと思いますけれど……。結局、チョコレートパーティをやるほどのお菓子を作ることはやめましたけれど……」

「で、でも、ワタクシもサポーターも、一生懸命作りましたわ!」

「…………そ、その。ワタクシのは、甘いものが食べたくなった時で構いません」

「でも、サポーターのは、今日中に食べてやってね。……あなたのことが大好きみたいですから」
(言いすぎだ!)
エリザをどつく照れて赤くなる