○○「ザケルガァ!!!」
通常のザケルとは違い、細く、貫通力のある雷がモンスターを貫く。
その一撃を受けたモンスターは、灰となって消えていった…

リリ「流石です!○○様!」
「ん、ありがとうな」
ダンジョンは常に危険と隣り合わせ、一体のモンスターを倒してもまた次のモンスターが来る恐れがある。
リリが魔石を回収している中、常に周囲の警戒は怠らない
リリ「それにしても、今のモンスター相手ならザケルでも大丈夫だったと思うのですが…」
「多分、それは詠唱破棄を使わなかった場合だよな?」
リリ「はい、幸い詠唱破棄を行うにしろ行わないにしろ、
精神の消費は変わらないので…それなら圧倒的に威力が高い方が良いと思ったんですが…」
「だけど、ザケルガの方が周囲に被害が出ないし派手じゃないからなぁ…つい多用しちゃうんだ」
リリ「むぅ、出来れば普段から詠唱を行う癖を付けてくれれば良いのですけど……」
「そうだなぁ」
彼女の言っていることは百も承知だ、少し
精神の消耗が多いザケルガと、詠唱をしたザケル…どちらが効率が良いのかは目に見えている。
リリの言う通り、普段から詠唱を付けるように心掛けないとな…と、思った。
「それじゃあ後は…これも試すか」
そう言って、今度は新しく手に入れた魔法を試す。
「【我は望む、この手に魔法を】【火炎魔法】【ドラゴン・クエスト】」
選択する事によって使用する魔法を切り替える事が出来る、【ドラゴン・クエスト】
この魔法は、更なるステージへと自分を上げてくれた。
そして、詠唱した瞬間、『ビキビキ』、と、モンスターが産まれる音が鳴り響く。数は一体…だが、そのモンスターは強力な個体として名が知れている奴だ
リリ「○○様!!」
「ああ!【メラミ!】」
すかさずメラミを打ち込む。先手必勝…相手が何かをする前に攻撃をたたき込む
火炎を喰らったモンスター相手に、スキルを使い黒く光った指を、モンスターに対して横薙ぎにするように指を走らせる。
瞬間、鋭利な刃物で斬られたような傷をモンスターに与えた。
スキル【大神降ろし】の一つ、【一閃】だ
モンスターはその予想外の一撃に仰け反り、大きな隙を晒した
「これで、とどめ!」
すかさずその隙を狙って、モンスターの弱点である魔石を狙い…思い切り突き刺す。
そうしてそのモンスターは灰となって消えた
リリ「大分使いこなせてますね…新しいスキル」
「ああ……これでもっと上に行ける……」
あの時…この力があればもっと早くリューを助けられたんじゃないか…そう思ったが、その考えは直ぐに捨てる。
手に入れてない時の事を考えてもしょうがない、今の…そしてこれからの事を考えないと
じゃないと、皆を…守れない。もっと強くならなくちゃならない。もっと……もっと……
リリ(○○様……リリは……不安です……まるで一人で全部背負おうとしているみたいで……リリも、○○様を助けられるくらい、強く……なりたいです……)