(
二人で寝るときは、いつも先に起きるのはアトリアでした)
……ん……。
(その日もちゅんちゅん、と小鳥のさえずりで目を覚まします。目を覚ますと、あなたの腕の中にいました)
……ふふ、きょうもアトのかち、ですね。
(胸の内で、どちらが先に起きるかを競っておりました。このことはあなたにも伝えていません)

まーったく、きもちよさそーなおカオでねちゃって……アトをだきまくらにするなんて、すごーくぜーたくなの、わかってるんですかねぇ……
(あなたの鼻頭を、満更でもなさげにちょんちょんとつつきます)
……このよーすですとまだおきなそーですねえ。がっしりだきしめちゃって、にげられないじゃないですか……もう。
(無理やり起こしても、力で腕を振りほどいても良さそうなものでしたが、そうはせず、ただ嘆息を一つこぼします)
(そして、あなたの腕の中で、もう一度眠りました)