失礼ね。私は獣人よ。獣人はヒト。
獣なんかと絶対に一緒にしちゃいけないんだから。
まあいいわ。私はアニマ……って、あら?
随分と警戒してるわね。なんで?
そう。赤い獣ねえ。誰がそんなこと言ってんのよ。
私は人間は食べないわよ。
それに、獲物は逃がさないし、無駄にはしないわ。
私はパーティしてるって聞いて来たのよ。
お祝いしてやろうと思ってね。
でも気が変わったわ。赤い獣のウワサ……どういうつもりか知らないけど、アイツはアンタが私を恐れるように仕向けてるってことでしょ?
だから、私がここに来たことと、アンタが私と会ってこうして話したことは秘密にしておきましょう。
きっとその方が面白いわ。
お祝いはするつもりよ。
そうね……パーティの最後の夜になったら、アイツをテラスに呼び出して頂戴。
アンタにも素敵なものを見せてあげるから。
アンタがもし私のことをアイツにバラしたら……
時間を切り取って、その事実は無かったことにするわよ。無駄な気を使わないことね。
もう用はないわ。とっとと会場に戻りなさい。
パーティの最後の夜、テラスに呼び出し。
覚えておきなさい。それじゃあね。
(一方的に話しを通され一方的に命令された。
でも、約束は守ろう。何故だかそう強く感じた。)◆パーティを続ける