グレーテル……いや、マルガレーテの事か。
詳しくと言ってもね……。私も、最後まで彼女のことを理解することができなかった。
私と彼女が出会ったのは、お菓子の家の檻の中だ。
魔女に捕らえられていた時……別々の檻に閉じ込められていのだが、魔女の目を盗んで会話をすることはできた。
二人で魔女を驚かせたり、魔女を倒して脱出する方法を考えたりしたんだ。
そうしているうちに、私たちは仲良しになった。
今思うと……そう思っていたのは私だけかもしれない。
……とにかく……その後二人で協力して、魔女を倒して檻を脱出、別の部屋に閉じ込められていたヘンゼルを救出することに成功した。
ヘンゼルとグレーテルは魔女の財宝を手に入れて、白鳥の背に乗って川を下り家に帰る……はず、だったのだが、二人は家に帰るのを嫌がった。
それで、この館に住むことにしたんだ。
この騒動の間に、この館の主人が亡くなってしまったから……最も賢いグレーテルに、この館を任せることにした。誰も反対しなかったよ。
それからは三人で楽しく過ごしていた……はずだった。
でも…………。
だめだ、これ以上は。
こんなんじゃパーティにそぐわない。
もっと楽しい話をするつもりだったのに……。
このお話の続きは、君が望むのならまたいつか聞かせてあげよう。今日はもうおしまいだよ。
◆おしゃべりを続ける