それじゃあ君は林檎の下処理をお願いしようかな。
私は生地を作るよ!
パイ生地は体温で溶けてしまうから、普通は手早くしないといけないが……私は体温が調節できるから。
厨房で魔法を使うな!私に命令するんじゃない。
調理器具に魔法力が残留して困るんだ!
癖が付いてしまうだろう!また新しいのを買ってあげるから。
……アオバは細かいことを気にしすぎなんだ。
下処理の方法はわかるかい?……後失礼するよ。
*マルガレーテは背後から手を伸ばし、林檎と包丁を持つ手を掴んできた。(生地を扱うために体温を下げたままなのだろう。背中に当たる身体も、手も、とても冷たい。皮は剥かなくていい。
今日はこれにばかり時間をかけたくないから、小さめに切っておくれ。そう、このくらいかな。
それで、次はレモンを絞って……
遅い。切ったらすぐにレモン汁につけねばならん。
王よ、レモン汁は私が用意しておいたぞ。あ、ありがとう……えっと、それじゃあ、林檎のコンポートはアオバと****に任せるよ。
ちゃんと教えてあげるんだよ。
……チッ。気にしないで。
生地とコンポートができたら一緒に包もう。
そしたら、あとは焼くだけさ。
温度管理はどうするつもりだ。
……まあいい、私がやっておく。ありがとう、アオバ。
私はいつも適当にしてるんだけど……私には彼女を止めることはできない。
焼けるまで、パーティ会場で楽しいお話でもして待とう。君と一緒に作ったパイだ。きっととっても美味しいに違いないよ。ああ、楽しみだ!
◆パーティを続ける