*マルガレーテの手記*
ボロボロの赤い表紙の冊子
日付は見当たらないが、区切りと思われる箇所に小さく草花の絵が描かれている。
(マンサクの絵)
愚か者め。私は賢いのだ。
何故このようなことになったのかは皆目検討がつかないが、あの後、我々はお話の続きを迎えた。
夜が明け、小鳥の囀りが聞こえ……あの時の絶望を思い出すのはよそう。
兎に角、愚かな者は灰となった。
とてつもなく長い時間に感じたが、あの者の下で暮らすのも悪くはない日々だった。
ああ。あの音に恐怖するあの様ときたら。
今日は様々なことが動いた。夜明けと共に愛する人を助けに行かなくては。
籠の鳥が煩い。
◆ボロボロの手記2