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＊マルガレーテの手記＊
ボロボロの赤い表紙の冊子

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日付は見当たらないが、区切りと思われる箇所に小さく草花の絵が描かれている。

(シンビジウムの絵)
ついにあの計画が実行されるようだ。
神への祈りを口実に、彼等は神を裏切るのだ。
愚かな魔女に神の御加護を。


(スノーフレークの絵)
早くあの本を見つけなければ。
あの愚か者は猜疑心を同情で上塗りするつもりだ。


(パイナップルの絵)
全てのページが揃った。
これで我々は救われる。


(プラタナスの絵)
その時が来るまでは、如何なる計画を練った所で、我々は定められた行動を強制される。
恐ろしいことに、それがあの魔術の力だ。


(カトレアの絵)
輝く小石と銀のコイン。運命の通り。
この本を持ち出すことが出来たのは幸運だ。
想定内ではあるが、外の世界は想像よりも自由であるようだ。このひと月で癖になった摺り足の真意に気付かれてはならない。


(ノースポールの絵)
あれから2度目の朝日を迎えた。
今夜は雪が降るだろう。
聖なる夜、神への裏切りによって得た結末。
二人は凍えて抱き合ってこの生を終える。
ハッピーエンドのお話の筋書きが書き換えられたことは、誰も知らない方が良い。
誰にも教えてあげない、私だけの甘い秘密。
″心から愛しているわ、マイダーリン″


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