*マルガレーテの手記*
ベタつく緑の表紙の冊子
日付は見当たらないが、区切りと思われる箇所に小さく草花の絵が描かれている。
(アザレアの絵)
とても素晴らしい召使いを手に入れた。
少し苦労したが、これまでの苦難に比べれば容易い事だった。
彼らによって、我々のこれまでの見窄らしく荒れた生活は一変した。
もうすっかり魔術無しでは生きられない身体になってしまった。
最早この身体は魔術で出来ている。
不満があるとすれば少し賑やかになった事くらいだ。
手記を手に取ることを忘れるほどの幸せ。
これで二度目だが、三度目はない。
これが永遠に続くのだから。
このまま幸せの日々かが続くことだろう。
新たな物語のハッピーエンドを祝して、私はこの手記に封を施すこととする。
もう二度と、誰にも邪魔をさせはしない。
◆ベタつく手記2