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＊マルガレーテの手記＊
ベタつく緑の表紙の冊子

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日付は見当たらないが、区切りと思われる箇所に小さく草花の絵が描かれている。

(マーガレットの絵)
愛する者と抱き合ったあの瞬間は、お話の終わりを迎えた時よりも幸せだった。
しかし、このままではあの女が望んだ形ではないにしろ、愚か者共に幸せをもたらす結末が待っている。


(パンジーの絵)
早くなんとかしなければ。
しかし、何も考えつかない。
籠の鳥が煩い。思考の邪魔だ。


(サクラソウの絵)
何日経っただろうか。私はあれから考えることだけに全ての時間を捧げた。籠の鳥は一瞬たりとも鳴き止まず、私の思考を現より引き離した。
果てに得た結論はとても憎たらしいものであり、まさに愚か者の所業呼ぶに相応しいものだった。
しかし、おそらくこれが最善であろう。
後悔はない。


(ナノハナの絵)
私の不幸と幸せはいずれも呪われている。
全て魔術により始まり、全て魔術により終わる。
籠の鳥よ、私の役に立つが良い。


(ワスレナグサの絵)
私は鳥の背に乗り川を下る夢を焼き尽くし、新たな家族が幸せに暮らす幸せな場所を手に入れた。
ああ、あの愚か者。
こんなに素晴らしいモノを隠していたとは。


(ジンチョウゲの絵)
いつぶりだろうか、幸せに身を委ねる日々は。
もしかすると、これが初めてなのかも知れない。
こうして手記を手に取ることを忘れるほどの幸せ。
もう二度と手を離さない。


(シャクナゲの絵)
月日が過ぎるにつれ、
我々の幸せに荒が目立つようになってきた。


(ネモフィラの絵)
不便だ。不便が過ぎる。
私の愛が届かないのも、きっとこの不便がもたらした不機嫌のせいだろう。
愚か者は誰だ？いつの間にか私も魔術の虜になってしまったようだ。
籠の鳥よ、今一度私の役に立つがいい。


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