《ちゅっ》

……んっ!?
離れろっ!!

《ドンッ!》

……お前、自分が何をしたかわかっているのか。
私は魔族に慰み者にされた汚れた女だ。
そんな女とキスするなど……正気の沙汰じゃない。

……私が勘違いする前に、気の迷いだったと言え。
そうすれば私も忘れよう。

『グイーネ。例え魔族に汚されても、俺は君を愛している。この気持ちは変わらない』

……ッ!
馬鹿がッ!
私とお前ではもう住む世界が違うんだ!
お前の隣に、私はもう相応しくないんだっ……!

……辞めろ、甘い言葉で私を惑わすな……!
私はもう人の道を外れたんだ、お前まで付き合う事はない……!
私は、○○を……汚したくないんだ……

……なんで、お前はそこまで……私の事を……
いや……昔からずっと、○○は私を大切にしてくれていたな……
私が大陸を支配する為に悪行を重ねる大王となっても、その気持ちは変わらないのか……
何万人も私が殺したというのに、お前はっ……!

私と結ばれるという事はゲオルイースを裏切る事になるぞ。
お前を兄のように慕っていたゲオルイースを、裏切れるのか。
○○はそれでもいいのか?

……覚悟は決まっているという事か。
それならば……もう一度、私にキスをしてくれないか?
先程は突然すぎたから……もう一度、したい。

《ちゅっ》

んっ……ありがとう。
これからはずっと一緒にいてくれ────愛してるわ、○○。
唇を奪う