○○、今大丈夫か?
少し話したい事があるんだ。
……あの監獄を脱出してから、○○はずっと私に協力してくれたな。
ありがとう、とても感謝している。
最初は驚いたよ、何で大王に○○が協力しているのかって。
でも……大王がグイーネと知ったら納得した。
○○は昔からグイーネの事を大切にしていたから……ずっと気持ちは変わってなかったんだな。
……えっと、話したい事はその……思い出話ではなくてだな。
…………ああ、覚悟を決めた筈なのに、○○の顔を見るとどうも決心が鈍ってしまう……
いや、心配しなくても大丈夫だ。
ここで言わないと、後で王の紋章に宿る仲間たちに何て言われるかわかったもんじゃない。
……じゃあ、言うぞ?
○○、子供の頃からずっと私は──────○○の事が大好きだ。
私と、結婚してほしい。
お前がグイーネの事を愛してるのは知っている。
ただそれでも、言っておきたかった。
私は諦めの悪い女のようでな、お前から直接断りの言葉を聞けないと諦められないんだ。
もしかしたら○○は私の事を選んでくれるんじゃないかって、淡い期待が捨てられない。
……私の初恋を、終わらせてくれるか?
返事を、聞かせてくれ。
『ごめん、ルイース。俺は今でもグイーネの事が好きだ』
──────ありがとう○○。
これで、私の初恋は……終わりだっ……!
覚悟してたのに……なんで、涙が止まらないんだ……!
《ぎゅっ》
あ──────やめて、くれ○○……!
今優しくされたら、諦められなくなる……!
《なでなで》
あああ……お前は本当に、ひどい男だ……
振ったばかりの女にこんな優しくして……まだチャンスがあると勘違いしたら、どうするんだ……!
お前に甘えるのは、どうしてこんなに心地よいんだろうな……
すまない、しばらくこのままでいさせてくれ……
あと少ししたら、元のゲオルイースに戻るから、今だけは……
初恋の終わり