○○、こんな所に呼び出して何の用だ?

……二ヶ月前の事か?
それならはっきり覚えているよ。
あの時は情けない姿を見せてすまない。
でも大丈夫だ、私はしっかり切り替えたから。

……どうして謝るんだ?
○○は自分の気持ちに正直だっただけで、悪い事は何もしていない。
むしろ私の方が謝りたいくらいだ。
○○の気持ちを知っていたのに、自分が楽になるために告白してしまったんだから。

……違う?
どうした○○、普段と様子が……

『ルイース、本当は俺も君の事を愛している』

…………えっ?
こ、これは……指輪!?
ま、待ってくれ○○、どういう事だ!?
私はもう、お前の事は諦めて……!

『ルイース、結婚してくれ』

……ッ!
何を言ってるんだ!
私は一回振られて……○○にはグイーネがいて……!
私が、選ばれる訳、ないんだっ……!

……私の、返事を聞きたいのか……?
一回自分で振った女にプロポーズするなんて、信じられないぞ……!
この二ヶ月間ずっと、私はお前への恋心を忘れようと必死になって……でも、忘れられないで……○○の優しさに触れる度、胸が痛んでいたんだっ!
私がこんな苦しんでいたのにっ、お前という奴は……!

《ぎゅっ》

────私も、○○を愛しているっ!
子供の頃からずっと、再会してからはもっと好きになっていた!
いつも優しくて、一度決めた事は曲げない頑固な所もあって、少しふざけた言動をすることもある、ユニークな○○を愛してるんだっ!

……ああ、本当にお前と結ばれていいんだな?
私は────幸せになっていいのか?

……ありがとう、○○!
その、指輪を嵌めてくれるか?
戦いばかりしてきた女の手だから、あまり綺麗じゃないかもしれないが……

ふふっ、そんな愛おしそうに触れられると恥ずかしいな。
……ありがとう。これで私と○○はその……夫婦になる訳だ。
毎日甘えたり、一緒に散歩したり……添い寝してもらったりしても、いいか?

……そうか、よかった!
○○も私にしてほしい事があったら遠慮なく言ってくれていいぞ!

ん、早速か。
私に何をしてほしいんだ?

……えっ。
いや、○○は確かに好きだが……キスはその、緊張するというか……

いや待て、○○の事が嫌いな訳ではない!
わかった、私も覚悟を決めるからその……目を瞑ってくれるか?
流石に顔を見られながらは恥ずかしいから……ああ、ありがとう。
じゃあ、行くぞ……?


《ちゅっ》


……どう、だった?
私はその……柔らかくて、幸せな気持ちになれたぞ?

そうか、○○も気持ち良かったんだな。
……そんな詳細に語られると恥ずかしいからやめてくれっ!



────ああ、もう日が落ちる時間だ。
一緒に宿まで帰ろう、○○。
帰ったら一緒の部屋で寝ようか。
結婚式はまだ出来ないが────大陸全土の平和を取り戻したら、絶対に挙げよう。
その為にも、今を全力で戦うぞ。
○○も協力してくれ。
皆に託された平和な世界を、私たちで作るんだ!
プロポーズへの道4