──初めは会いに行くのが怖かったんだ…須美の時だってショックがデカかったのに、今度は○○なんて……ずっと一緒に過ごしてきた存在に忘れられる、そんなの…耐えられない。それが好きな人だったら尚更…でも、夏凜に後押しされて、会う決心がついたんだ。──
──改めて会った○○は、キラキラした目であたしを見た…何も考えてなさそうな純粋な目。それを見た時に…あたしは思ったんだ、本当に記憶を失っているのかな?って──
──だって、その目は小さい時の頃から変わらない、○○を象徴する綺麗な目をしていたから……でも、○○から自己紹介してきた時に、改めて現実を突きつけられたんだ、記憶が無いんだって──
──大切な人に忘れられるのはこれで2回目だった、でもその2回目は前とは全然違かった。確かに悲しかったし辛かったけど、それよりも心配の方が大きかったんだ。──
──あんまりにも記憶を失いすぎてる。こんなんじゃ赤ちゃんと変わりないって……これじゃあ○○はきっと生活が大変だ…そう思ったらあたしは○○を抱き締めて、こう言ったんだ──

大丈夫、あたしが○○の事を全部教えるよ…これからどうすれば良いのか、どう生きていけば良いのかを。だからあたしに任せて…♡
──言葉にしたら簡単だった、そうだよ。あたしが○○をお世話すればいいんだ。そうしたら○○の記憶もきっと戻るし、普通に生活もできる。そうだよ、あたしが○○のお母さんになれば良いんだ…♡──
──きっと心細いとか、不安だとか、そんな事も忘れちゃったんだろ?赤ちゃん同然になったらきっと、あたし達勇者部以外の人も離れちゃうかもしれない。でも大丈夫…あたし達がいるよ○○、だから任せてよ…
○○の事は絶対に見捨てないからさ…♡
──