あ……あの、○○……先輩……
具合は、どうですか?やっぱり、覚えてないですか?
私は○○先輩の、同じ部活仲間で、後輩の…犬吠埼樹です。その……私のお話、聞いてくれないですか?
そうすれば、きっと記憶が戻るかもしれないので…お願いします、聞いてくれるだけで良いんです。
私が勇者部に入った時、○○先輩何時も気を使ってくれたんです。不安な事は無いかとか、困った事は無いかって、少し過保護な位に気にかけてくれたんですよ?
色々な事をお手伝いしてくれたり、私が失敗しちゃった時も慰めてくれたり、逆に成功出来た時はすっごく褒めてくれたり…
お兄ちゃんって、こんな感じなのかなぁ……って思ったんです。
私の夢の話……あっ、私将来歌手になりたくって……それで、暇を見つけたら私と一緒にカラオケに行ってくれて、私の特訓相手に…あ、その時の私って人前で歌うのが恥ずかしくって、それで人前で歌っても大丈夫なように特訓してくれたんです!
あの時は嬉しかったなぁ……本気で応援してくれてるんだって、思えて……すっごく……本当にすっごく嬉しかったです。
それで私達のお役目……えっと、勇者っていう外から来た悪い敵さんから皆を守るってお仕事をしていたんですけど、その時も○○先輩は私達の安全を第一に考えてくれてて……まるで物語に出てくる騎士みたいに、カッコよかったんですよ?
その後は、満開っていう一時的に強くなれる技を使った後に……私、声が出なくなっちゃったんです。
怖かった、もう歌えないんじゃないかって…私の夢が終わっちゃうんじゃないかって……
でも、○○先輩は色んな方法をさがしてくれたんです。徹夜で医療関係の本を読んでたり、腕が良いお医者さんに相談に行ったり、そしたら「樹の声を戻す為に医者になってやる!」って言ってくれたりしたんですよ?思わず……わらっちゃい、ました。
そのとき、おもったんです……このひとのために、また、うたいたいって(ヒック、
わたしも、また、うたえるように……こえがだせるようになったから……○○せんぱいも、きっと、きおく……もどりますから!!(グスッ、
じんじてれば、ぎぜぎは、おごる……がら……!!(エグッ、
だがら……あぎらめないで!○○ぜんばぃ…!