うん、今日の治療は終わりだ…何か思い出した事はあるかい?

【あなたは主治医の先生に、奇妙な体験をした事があることを伝えた】

……成程、そんな事が……少し待ってて(カタカタ
……恐らく君が体験した事は白昼夢の一種だと思うんだけど、その体験を鮮明に覚えていて…それでいて、あった人の姿も覚えているんだね?

でも、一部の人には懐かしさを感じたし、僕らしき人とも出会ったと…

彼女達に、見覚えはあるかい?勇者部と呼ばれている子達だけれども

【あなたは見覚えがあるし、懐かしさも感じると言った】

………成程、うん。分かった
安心して欲しい、君の記憶の回復は良好だよ、順調に回復していっているから、この調子で行こう
じゃあ次の予約だけれど……


ーー⏰ーー






【あなたは自分の家に帰っている最中に、あの時見た白昼夢の事を思い出していた】

【渦とその先で出会った子、知っている子がいれば、知らないけれど懐かしさを感じた子もいた】

【そして最後に、自分に語りかけてきたあの声……】

【何故か、酷く、泣きそうになったような……】













ーーこの世界は、繋がったーー







!?







【あなたの目の前に、鎧を着た何者かが立ち塞がった。周囲の人は…誰も彼の事を認識していないのか、特に見ることも無く通り過ぎて行く】

これは警告だ、君にこれから降り注ぐ災難の
試練への、警告

【何を言っているのだろうか、急にそんな事を言われても困ると、あなたは言った】

遅かれ早かれ分かる筈だ……その理由が
精霊を、頼るのだ……今はそれしか言えないからな
願わくば、後悔のない、選択を……

【それだけ言って、鎧の人は立ち去って行った。精霊…カードの精霊のことだろうか?それとももう一体の常に自分の中にいるこの生物の事だろうか?】


【あなたは言い様のない不安を感じながら、帰路に着いた】






ーー⏰ーー















……………こっちの世界でも、この格好でいられるのね。これがあいつの言っていた世界の統合の結果ってわけ?








でも、丁度いいわ…ようやく彼を……ユウキを見つけられたんだもの。あの人はユウキを特異点って言ってたけど、そんなのは関係ない…私達の大切な人。絶対に、取り戻してみせる

???「……それよりこれ、統合の影響で名前が変わったって話…本当かしら?あいつの言葉を信じてもいいわけ?それにあいつの能力も……」

????「……あの時の力の奔流を受け入れて、掌握して全部を救って、そのまま世界から消えた先……その影響で勇者になって強くなったユウキ……プリンセスナイトの力を持っていないユウキか……」

???「違和感凄いわね…それに、気に入らないわ。これってあたし達が必要ないって意味よね?」

????「……そうは考えたくないけど、そうかも」

???「だったら分からせてやるわよ。勝手に存在を消して、居なくなったあの馬鹿にね……」

????「もうすぐあの二人も来るから、それまでに彼を確保しないと……この世界にいるっていう、勇者部って存在も気になるし……」

???「それに……あたしら以外にもいて、この世界に来るって話だからね、あいつに救われた人間が」

????「きっと、戦いになる……大きな、戦いに」








ーー⏰ーー





………元気そうだね、○○君……
………全部、聞いたよ。○○君の事………私達の前から消えた後のことを
私の変わりになってくれたあなたを、ようやく見付けられた。あなたという存在を、ようやく……見付けられた最後の世界

………あはは、なんだろ。元気そうな○○君を見たら…凄く安心しちゃうなぁ……

……手荒な真似は、したくない。お話で解決出来そうなら、そうしたい
でも……(チラッ

そうは、いかないのかな…?











そうだねー、私達と同じ子供の姿でも、先生は先生だし……それを横から奪っちゃう人とは、仲良くなれそうに無いかなぁ

?「先生?よく分からないけど、あなたも○○君に助けられたの?」

??「そうだよ〜☆色々と迷惑かけちゃったしねぇ、何度も何度も……何度も、苦労をかけちゃったから……だから、私の全部を捧げよっかなぁって」

?「えっと……全部って?」

??「文字通り全部だよ☆私の心も、体も、この先の未来も、全部、全部、ぜーんぶ……先生にあげるの。私の人生を捧げるの。それが私の……私達の幸せ」

?「でも○○君は覚えてないんだよ?なのに捧げるなんて言われても困ると思うな」










??「気に入らないなぁ……部外者が私達の関係に口出ししないで欲しいんだけどなー?」







?「部外者?関係ないよ。だってあなたは危険だから……○○君に依存している人の目をしているから。だから私はあなたから○○君を守る」

??「依存?それは違うかなぁ……だって、何度時を繰り返しても身を削って私達を救おうとしてくれた人に、全てを捧げようとするのは、当然の事だと思わない?もう傷付いて欲しくないから、私達の愛で包もうとするのは、正しい事だと思わない?だって……あなたも同じ目をしているから」

?「………だとしても、あなたは近づけさせない」

??「……わーお、凄い気迫だね」




ーー⏰ーー








……………………なによ、これ

……不味い、非常に不味いわ

………急いで皆に連絡しないと、じゃないと

○○が危ない











ーー⏰ーー



【あなたが帰路に着いている最中の事だった】





マスター、そのまま聞いて……僕達は付けられている

【急にソフィアが自分の頭の中に話しかけてきた】

僕が記憶している限り、覚えがない人間だ…前に話をした幼なじみでも、同級生や先輩でもない…僕の知らない人間。

なるべく僕も気を付けるけど…僕達精霊はマスターが望まないと具現化出来ない。その事を忘れないで

【ソフィアの話を聞き、警戒をする……そこに現れたのは……】













RABBIT1、目標に接触……


【頭上に、天使の輪のような物が浮かんでいる、可愛らしい少女の姿だった】



変わらない貴方へ 第一話